コンサルとして起業するまでの過程を色々と思いだしてみました。
2016年は、サラリーマンとして仕事を続けながら、週末起業という形で個人事業主としての届け出をして、事業としては失敗したものの、精神的な面や起業に関する知識吸収の意味で、良い時間を過ごすことが出来たと思っています。
振り返ってみると、週末起業をやっていた助走期間は本当に楽しかった。
独立までのカントダウンもワクワクとドキドキでした。
更に振り返ってみると、2017年は、一転してコンサルとして起業するための忙しい一年でした。所属していた企業の定年退職は7月末なので、それまではすべて会社の仕事をしながらやっていたことになります。
年明け早々、師匠である稲垣さんの紹介で、Lean Enterprise Chinaの会長であるDr. Marcus Chaoさんと電話インタビューをして、結果、6月に上海で開催されるリーン・サミット上海で登壇させていただくことになりました。
登壇のタイトル、大まかな内容、プロフィールなどを早急に作ったり、その際、顔写真はきちんとプロに撮ってもらいなさいとアドバイスいただき、プロのカメラマンを探して写真撮影などもしました。
さらに、6月のサミットの前に、4月にも上海に来て、中国のスタートアップ企業向けに話をして欲しいとの依頼を受けます。4月開催のセミナー資料を2月中旬に、6月の資料を4月中旬までに英語で作り上げるというのも、結構時間を使ったと思います。
4月にスタートアップ向けに使った資料をもう時間もたっているので公開します。
さて、これらのイベントをこなしながら、師匠のお蔭で更にイベントの話をいただくことができました。
6月1日~2日 台湾のCSD主催セミナーで稲垣さんと共同で講師
6月21日 セミナー企画会社主催セミナー講師
7月11日 T大学(仙台にある大学)でビジネスコースの臨時講師
これから起業しようという時に、ラッキーとしか良いようがないほどに、様々なチャンスをいただくことができました。
ただ、実はこれらのイベントは、後の実ビジネスにはまったく繋がってはいません。しかしながら、自分のコンサルタントとしての価値を試させてもらうには、十分すぎる良いチャンスでした。
ただ、6月のリーン・サミット上海だけは、後の仕事に結びついたのです。上海のサミットに来ていたGE ApplianceのトップであるKevin Nolanとの出会いです。彼の紹介があって、ある日本企業の開発部門のトップを紹介されて、以降の仕事を受注することができたのです。
こんなことが起きていたのは、私がまだ大手企業のサラリーマンとして働いていた時期でした。
イベントがあったことよりも、イベントのために用意したものが後にコンテンツとして役立ったのが大きいと思います。
今振り返っても、自分は結構幸運だったと思いますが、少し冷静に考えてみると、この時期はコンサルタントとして出発するための自分のコンテンツを温めていた時期なのだと思います。
いろんなチャンスはいただきましたが、でも、そこで発表する内容は、自分の中にあったものを引き出し、絞り出して形にしたわけです。
自分にはこんなチャンスはないとあきらめないでください。自分のコンテンツ、つまり商売道具になるものを準備期間にひねり出すということをやってください。そして、それを発表したり、発信したりする場を探して、実践していきましょう。
幸運なことも多かったのですが、したたかに自分で手繰り寄せたものもあります。
実は、大手企業での最後の仕事が、私の起業を大きく前進させてくれることになったのです。
サラリーマンとして上記に書いたようなイベントをこなしながら、一応、会社でも仕事をしていたんです。
役職定年後、まあはっきり言うと窓際じゃないけど、あまり期待されるような仕事をしていたわけではありません。当時、社内で新規事業をなんとか立ち上げようという部門だったのですが、私は自分である仕事を上層部に提案しました。
それは、簡単にいうと、シニア社員を新規事業に活用するしくみ作りです。
当時、大企業は優秀なベンチャー企業を探し、資金援助したり、場合によっては買収したりすることで、オープンイノベーションを加速しようとしていたのですが、私が提案したのは、資金だけではなく、社内にいる有能だけど社内では活躍しきれていないシニア社員をベンチャーへ脳力支援のために出向させるという人的支援の仕組みを作ることでした。
ベンチャーに一定期間行ってもらい、ベンチャーのビジネス立ち上げを支援して帰ってくるというのが基本なのですが、もし、シニア社員とベンチャー側がその気になれば、転職を認めるというものです。
これは、一歩間違うと、おじさん切りというか、退職勧奨のようになってしまうと人事部門などは、実はやりたいけど二の足を踏んでるような感じでした。
まあ、それでも強引に進めさせてもらい、大々的にやる前に、テストケースを作ろうということで、外部の人材会社と組んで、社内の数名のシニア社員を個人的に募り、自分もその一人となって、レジメを人材会社数社に託して、支援して欲しいという企業を探すことにしたのです。
私としては、面白いスキームが出来たと思ったのですが、そろそろ私の定年退職の日も近づいてくると、この仕事を引き継ごうという人間がいません。あるいは出来るやつがいません。
もともとそんなに期待もされていない仕事なので、私の退職後はストップすることになったのですが、実はこのときに提供したレジメで、いくつかの会社が私個人に興味を持ってくださいました。私以外にももう一人、引き合いのあったシニアの方がいて、その方はその会社に数か月後に転職することになったのです。
そして、私に興味を持ってくれた会社の2社が、今の私のクライアントになっています。
この話もラッキーな話だと受け取られるかもしれませんが、実は今だから言えるのですが、シニア活用の仕事を大手企業で提案したのは、会社のためが半分、もう半分は自分の起業にも必ず役立つと思ったからなのです。
したたかな奴だと思われるかもしれませんが、大手企業を退職して、両足立てて独立したのが8月で、10月と11月には、この2社との仕事が始まっています。先のKevin Nolanの紹介による仕事は9月に始まっています。
かくして、シニア起業のスタートは、ますはうまく行ったということです。
私の事例を成功事例と呼べるなら、私からアドバイスできることは、起業を考えるなら一日も早く行動を起こすこと、そして、副業によってリスクを減らすこと、良い仲間を作るここと、そしてしたたかに考えることです。
Good Luck!!
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