64才で初めて本を出版し、さらに自分で電子出版をした話

コラム

 

58才でこのブログを始め、60才でシニア起業して、このたび64才で初めて本を出版しました。

完全な商業出版ではなく、Amazonのプリントオンデマンド(POD)という仕組みを利用した出版です。

さらに出版した本の原稿を、AmazonのKindle出版での電子出版も行いました。

紙の本は、Amazonが認定した出版社を通してでないと出版できません。

今回は、ラーニングス株式会社(ファストブック)に面倒を見ていただき、9/14に発売にこぎつけることができました。

一方、Kindle出版は、同じ出版社に依頼することも出来たのですが、こちらは個人でも出来る、つまり無料で出版できるということだったので、今回、挑戦してみて、こちらも9/19にAmazonから発売されました。

今回の出版にこぎつけるまでの経緯と、電子出版で苦労したことなどを備忘録として残しておくことにします。

ちなみに、今回出版したのは、

「製品開発組織の常識をぶち壊せ!! ~既存の開発プロセスは嘘だらけ~」

という本です。

本の紹介記事:「製品開発組織の常識をぶち壊せ!!(賀門康至著)出版のご案内

 

PODでの出版のお誘い

 

コンサルタントという仕事をしているので、いつかは自分の著書を出したいという想いはずっと持っていました。

書きたいネタもきちんとまとまってはいないものの、頭の中にいくつか候補を思い浮かべることは出来ていたのですが、出版業界も不況だし、出版社の伝手もないので、何も出来ない状況でした。

自費出版という手もあるかもしれないけど、300万円くらいはかかると聞いていたので、二の足を踏んでいたのですが、2021年の2月ころ、弊社のホームページを見たということでラーニングス(株)の方から「本を出版しませんか?」という連絡をいただき、コロナの時期なのでZoomを使ってビデオ会議でお話をお聞きしました。

AmazonのPOD(プリントオンデマンド)の仕組みについて説明を受け、編集作業などで数十万はこちらの負担ですが、在庫もなく絶版もない仕組みで、Amazonのオンラインのみでの販売ですが、これに乗ってみようと決心しました。

会社の年度末までは色々と忙しかったこともあり、4月から始めることにしました。

4月に入って、大まかな手順を決め、4月末ころまでに企画書を作り、5月~8月いっぱいくらいで原稿を仕上げるようなラフなスケジュールを組みました。

企画・構想

基本的には、コンサルティング・ビジネスをうまく進めるためのビジネス書を考えます。

製品開発に関するノウハウ、自社のコアスキルであるトヨタのリーン製品開発というのが軸になります。

ただ、自分の中では、小説仕立てで書きたいという想いがありました。

エリヤフ・ゴールドラットの「ザ・ゴール」、私の師匠である稲垣公夫さんの「開発戦略は意思決定を遅らせろ!」などが、イメージの中にありました。

しかしながら、小説なんて書いたことがありません。

専門的な解説記事は、自社のHP上のブログなどで書き慣れてはいましたが、小説とは違います。

でも、昔から一生に一度は小説を書いてみたいという想いがあったこともあって、小説仕立てにすることに躊躇はありませんでした。

その上で、どんなストーリーで、読者に何を伝えるのかということを随分と考えました。

小説とは言いながら、自分がやってきたことをうまく使おうと考えて、ストーリーの大きな流れで、悪い状態になって、少しいい状態になって、また状況が悪くなって、最後はハッピーエンドという物語を盛り上げる基本中の基本である展開にしなければと、最初はどんな失敗を取り上げるかということを考えるのに時間を使いました。

失敗からチャレンジの取っ掛かりを作って、始めたけどうまく行かず、そこに救世主が表れて最後はすべてがうまく行くというストーリーで、その流れの中で、自社のコアスキルをアピールするような内容です。

妄想しながら、ノートにメモをしたりして、なんだかとても楽しい時間でした。

ストーリーは意外にスンナリと出来上がり、4月20日ころには企画書が出来上がっていました。

正式なものではなく、私自身が作った企画書を参考までに公開します。

企画原案書PDF:製品開発組織の伝統をぶち壊せ!企画原案20210418

原稿執筆

原稿執筆は、ゴールデンウィークをきっかけに始めることになりました。

初めての出版でもあるので、出版社の担当者からは4~6か月くらいは執筆期間を見る人が多いですよ、ということでしたが、私は最長で3か月、出来れば2か月でやります、とお答えしました。

ゴールデンウィーク後までに全7章のうち2章までを完成させ、5月中に4章まで、6月いっぱいで完成というマイルストーンを置きました。

結果的には、2章の完成は5月中旬くらいで、4章が6月2日、7月5日に一通り完成し、自分で見直しをして7月16日に出版社に原稿をお渡ししました。

途中、筆が止まることもありました。

あえて続けて書かずに、少し時間を置くようなこともありました。

実体験を思い浮かべたり、登場人物と実在の人物を重ね合わせて、会話を妄想することで意外に会話の文章はすんなりと書くことができたのですが、会話の記述を「・・・」とxxが言った。とか会話文を説明する文章が意外に難しかったです。

これは、何冊かの小説を引っ張り出して、どんな風に会話文を導いたり説明したりしているかを真似ようとしてやってみましたが、同じような説明文が続けて出るようになってしまったため、実はここは後で大幅に修正することになりました。

文章を書くことを得意としているわけでもなく、でも、過去の出来事、実体験から普段、考えていることなどを織り交ぜて妄想しながら、それを文章にするのって結構楽しいと思いました。

何事もやってみる前におじけづかずに、やってみて楽しむことですね。

 

編集と推敲

出版社に原稿を渡してから、編集作業と推敲に入ります。

編集は、まずは縦書きにするので、一ページの行数を決めて、章のタイトルや図を入れながら文字を配置していきます。これは出版会社の仕事です。

並行して、出版社が原稿を読んで、気になるところをピックアップして、指摘してくれます。

今回、前述したように、セリフの説明文がワンパターン化して読んでいて気になるという指摘があって、その対応が結構時間がかかりました。

出版社が、こんな風にしませんか?と提案してくれて、それでよければ出版社の方で直しちゃいますと言われたのですが、どうしても拘りがあるところだったので、自分ですべて修正しました。

並行して表紙作りです。

出版社からデザイン会社に依頼しているようでしたが、私の方でこんな表紙にしたいという実在する本を指定して、それに似せたデザインで、こちらが指定したキーワードなどを入れて作成してくれました。

私のこだわりのキーワードがすべて入っていなかったので、そこで何度かやり取りがあって、私の方で出した部分的な対案が採用されました。

決定した表紙が、このページの先頭に出しているものになります。

結果、私としては非常に満足しています。

最後は誤字脱字などを修正して、9/7に編集作業も完了です。

9月9日にAmazonに入稿されて9月14日に無事に発売となりました。

 

Kindle電子出版へ

 

ラーニングスでPOD出版をお願いすると、オプションとしてKindleの電子出版もやってもらえます。

数万円の追加費用が必要になりますが、最初に担当者の方とお話ししたときに、Kindle出版は個人でも出来るので、どちらで作業するか選択できますよということでした。

原稿を書いている最中に、WebでKindle出版のやり方などを調べてみたところ、そんなに難しくはなさそうでありながら、それなりにノウハウや対策が必要なのだと感じていました。

紙の本を発売した後に、いつでもお請けできますよ、ということだったので、自分でやってみてダメだったらお願いすることにしました。

紙の本の発売から3日後、9/17に意を決して作業を開始し、結果、9/19の夜に発売となりました。

Web上に色々とKindke出版のやり方情報はたくさん出ているのですが、どうもぴったりのものがありませんでした。

まず、Kindkle出版では、リフロー型と固定型を選択するのですが、その話とKindleに提示するフォーマットの話と、縦書きでの制約の話が整理されていないものがほとんどで、自分がやりたいことをそのまま説明しているページを発見することが出来ず、9/17の夜には半分諦めていて、週明けに出版社に依頼しようと思い始めていました。

自分が持っているものは、紙の本を出版したWordの原稿(図も入っているもの)と表紙の画像データです。

AmazonのKindle出版のページを見ると、Wordファイルも受け付けられそうなのですが、実は横書きの場合はWordもOKなのですが、縦書きの場合はepubかmobiファイルというものに変換しなければならないということまではわかりました。

とにかくやってみるしかないと、でんでんエディターでんでんコンバーターKindle Previewerを用紙して作業を開始することにしました。

やり始めると、ネットで調べているよりは自分で体験しながら、いろんなことがわかっていくのですが、9月18日、19日という3連休の初めの2日がほぼつぶれる結果になりました。

でんでんエディター、でんでんコンバーターは、無料でありながらすごく便利なツールなんですが、ネットでも教えてくれない癖があることも体験しました。

その辺りは、続編でKindle変換についての記事を書きますので、そちらを参照ください。

 

続きの記事>>でんでんコンバーターを使って縦書き、リフローでKindle出版して苦労した件

参考:「製品開発組織の常識をぶち壊せ!!(賀門康至著)出版のご案内

 

 

 

 

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