前提条件
英語教育のマーケットは非常に大きく、今後、東京オリンピックに向けたブームなども予想され、拡大方向にあることは間違いがない。
ただし、すでに既存プレイヤーの数も膨大で、新規参入の増加スピードも著しく、簡単に勝てるマーケットではない。
セグメントを定めて、自身のポジションを明確にしていく必要がある。
強味を生かしたセグメンテーション
英会話スクールやスカイプなどを使ったネイティブスピーカーとのマンツーマン、あるいはグループレッスンには、参入できない。
日本人ならではの強みを生かすこと、英語が「できない」から「使える」になった経験を共有することを背景に、個人個人の能力を向上させる懇切丁寧な指導を「売り」にしたい。
「会話」のスピードの世界に入る前に、「e-mail」によって時間稼ぎができる世界で、日本語の考え方から、英語独自のルール、考え方を身につけ、短い時間で自分の言いたいことを正確に伝える英文作成能力を作り上げる、ということを命題とする。
カテゴリーとしては、「e-mail添削」とすると、顧客にもわかりやすい。
「e-mail添削も、すでに既存業者が激しい競争をともなって事業展開をしている。競合として、以下のサービスが挙げられる。

などなど
特徴としては、自由なメールの添削指導が中心。価格競争が激しく、文字数と添削レベルのオプション化(誤り訂正のみがベースで、代替え表現の指導は追加料金など)で、顧客からの魅力を引き出そうとしている。
使う側の期待は、ネイティブのメール友達との通信によってモチベーションを維持しながら英語を伸ばしたい、という期待が大きいと予想されるが、自身の経験からすると、1,2度のメール交換まではいいが、フリーの課題設定だと、何を書いていいかわからなくなって、次第に熱が冷めていくケースが多くみられる。
ペルソナ
ターゲットとする顧客のイメージは以下のようになる。
- 30~40代のビジネスマン、ウーマン
- TOEICスコアでいうと、400点台、500点台で伸び悩んでいる
- 会社の昇進試験でTOEICの点数規定があり、困っている。
- TOEICスコアも大事だが、本当に使える英語を身につけたい。
- これまで、英会話スクールも行ったし、いろんなテキストも買ってみたけど、結果としてそれほど上達していない。
- 会社で必要に迫られて、英語のe-mailを書いたことがあることはあるが、ひとつ書くのにものすごく時間がかかった経験がある。
- ヒアリング、単語力ともに自信がない。(スピーキングの弱さはあまり意識していない。)
何が欲しいのか?
上記ターゲットが欲しいものを予測する。
- TOEICスコア・・・600点、700点という具体的なターゲット
- 本当に使える英語力「話す」力をつけると、実はヒアリングも、単語力も上げられる。英語脳(日本語脳からの切り替え)を獲得すべきと教えることが必要。
- 日本人が英語を克服するのは、他のアジアの人たちよりも難しいことを理解させる。(文法の違い→思考のしくみが違っている。)
- これの定義は?
- 実際に英語を使う場 → 交流サイトへの発展
- 英語を使うモチベーション、必要性
- 上達が形になって表れること(TOEICは一つの形)
証拠をどう作るか?
まだ、実際にスタートしていないので、お客の声は取れない。
ただ、過去に2年くらい、社内で英語を教えていたことがある。今回のコンセプトもこの経験から生まれている。これまでに約20人を教えてきた。
社内教育を始めたきっかけは、管理職試験の受験資格のTOEICスコア未達者を救済することで、実際、3人を受験資格制限に入れることができたことと、数人からTOEICスコアが100点近くアップしましたと感謝されたことがある。
追伸
上記の記事を書いたのは、2016年の夏ころで、この後、英語通信教育事業については撤退を決めている。
まだサラリーマンをやっていたころ、週末起業で立ち上げを狙ったものだった。個人事業主として役所に届けを出し、とにかく何かをやってみることでトライした。
教育用のコンテンツを2か月かかって作成し、プロにホームページ作成を依頼し、Web広告などもやってみたが、英語教育という競争の激しい世界に対して、十分なマーケット調査もせずに飛び込んでいったのは、無謀だったかもしれない。
ただし、自分としては、この失敗は非常に役に立ち失敗だった。
個人事業としては赤字を出したが、当時、サラリーマンとしての収入は十分あったのと、確定申告サラリーマン収入と個人事業の収益を合算することで、所得税の還付がかなりあったので、財務的なマイナスもほぼなかった。
結果的には、良い経験ができて、次のステップで技術コンサルタントとして立ち上がるために、大いに役立つ一年間だったと思っている。
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