あまり大きな声では言えないのですが、2016年1月に役定になってから約2か月間は、後任の部門長への引継ぎ以外はこれといった決まった仕事もなく、その間に実験室のようなところ(元部下たちが作ったモノづくりのための部屋)に籠って、電子工作をやりました。
「ラズベリーパイ」という超小型のボードコンピュータをいじってみたいと思い、初心者向けの本を片手にロボット作りに挑戦したわけです。
自分で手を動かして電子工作するのは、少なくとも20年はやっていませんでしたが、かつては電機設計者として8ビットのマイコンやTTL(いわゆる標準ロジックIC)を使って、仕事のための実験回路を作っていました。
自分で言うのもなんですが、電子回路を設計したり作ったりというのは腕に覚えもあり、自分でこういうものを作りたいと思ったら頭の中で回路図を組んで、ICをユニバーサル基板に差してチョコチョコって配線して動かしていたものです。
ただし、ソフトの方はあまり自信がなくて、C言語で画像処理のソフトを書いていたことはあるので、土地勘がまったくないわけではなかったのですが、Linuxを使うのも始めて(MS-DOSやUnixのコマンドはうろ覚え程度)だし、パイソンなんて言語はまったくの始めてでした。
この本は、ソフトに関する知識がそれほどなくても、またハードの方も私の経験までは不要といった感じで、オームの法則とLEDと電池をつないでLEDを光らせるということが理解できる人であれば、本の通りで進めるだけでかなりラズベリーパイをいじることができるようになると思います。
この本の最終ゴールは、キャタピラー型のロボット(スマホでリモートで動かす)を作ることですが、ラズベリーパイを体験するだけなら、LEDを点灯させるとか、モータを動かすといったステップごとに進められるので、途中まででも面白い体験ができると思います。
プログラム(ソフトウェア)は、サンプルプログラムが提供されているので、それをそのまま使えば本の通りに動かすことが出来ます。
ただ、なんでもそうですが、ラズベリーパイも何種類か微妙に構成や仕様が異なるものがあったり、ソフトウェアのバージョンの問題があったりして、実は本の通りに行かないケースは何度もありました。
そこを乗り切るのは、多少、問題解決のノウハウが必要かもしれません。
20年前のバリバリの開発者だったころを思い出して、そういうトラブルをかえって楽しむことが出来たかもしれません。
一つ一つの問題、トラブルをどう乗り切ったかを記録を取っておけばよかったのですが、今となっては記録も記憶もありません。
ただ、20年前と違うのは、困ったときに困った内容をインターネットで検索すると、同じような悩みを持ってその問題を経験した「ヒトがたくさんいたということです。
6割くらいのトラブルは、ネット検索で解決策をそのまま見つけることができたし、2割はネットでの情報がヒントになって自分で解決できましたが、残りの2割はヒントも見つからず、まわりのエンジニアにも相談しながら自力で解決しました。
このプロセスが苦しかったけど、本当に楽しかったというか、自分のエンジニア魂と呼び戻してくれました。
次にもう一度チャンスがあったら、このデバグの状況を記録して残したいと思います。
今回は、出来ちゃいました。
Wifiネットワーク経由で、スマホで操作して、ロボットの先端に付けたカメラモジュールからとった画像をスマホで観れる、というところまで作り込みました。
外見の写真と、タブレットで操作している動画を載せておきます。
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